【上巻】

ツンデレ旦那と極デレ新妻

ただ、ですね……

周りが指摘する欠点をほんのちょっとだけ挙げるとするなら、他人にあまり興味を示さず、冷酷な部分があり、近寄り難く、気難しい性格に見える、という感じでしょうか。

でもっ！でもね、

“興味を示さない”

とか

“冷酷”

とか、それって言い方を変えればクールってことだし、容姿も頭脳も優れていて、これで性格までも良かったら不公平すぎるということで、きっと神様が旦那サマをこんな性格にしてしまったんだと思うの。

まぁ、そんなところも含めて旦那サマこと臣くんのことが大好きだからいいんだけどね。

妻である私から見ては、ぜんっぜん問題ナシっ！

「―…よくないでしょ」

「え？」

「え？じゃなくて、あんた本当にそれでいいわけ？」

臣くんの事を思い浮かべ、幸せに浸る私に向けられる冷たい目線と声。

目の前で私の一番の親友、理沙子が呆れた表情で私を見ながらアールグレイティーを飲んでいる。

臣くんを見送って、約三時間後に理沙子は我が家にやって来た。

「他人にあまり興味がないって言うけどさ、他が見れば妻のアンタにも素っ気なく無関心に見えるし、ほんの少し冷酷でって、私が知ってる限りじゃ、あんなに冷たい男いないよ」

そんな理沙子のキツイ言葉に、

「そんな大げさな～、そりゃあ、他人に冷たくて私にも冷たいけど、どっちかっていうと、他人より私に冷たいから、それ位私の事が特別ってことで～」

あはは、と笑いながら言う私を、理沙子は今度は哀れみの目で見始めた。