3047人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな私に追い討ちをかけるように、その状態で、
「サチ」
臣くんが私をそう呼ぶ。
いや……でも、その呼び方は……
と、私が思っていると、さっきの表情とは変って、
「サチ、って呼ばれてたんだね」
ニッコリ微笑む臣くん。
滅多に笑顔なんて見せないのに、本日二回目の微笑み。
その王子サマの様な微笑みで、思考回路はこんがらがって、最終的には目の前にいる臣くんのこと以外、何も考えられなくなる。
すると、ぐいっと臣くんが私をひっぱって、
「幸代」
今度は何時も通りの呼び方で私を呼ぶ。
最初のコメントを投稿しよう!