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「ズルイ……」
「何が?」
「何時もはそんな言葉、相手にしてくれないのに……」
なのに、ふいに甘い言葉をかけるなんて……
「幸代こそ」
「……何、が?」
「普段のそーいう幸代の言葉に合わせた時は、大人しくなるよね?」
首を少し傾げて、私を見る臣くん。
ああ。
もう、そんな仕草全部がずるい。
普段、そっけない態度で返すのに、急に接し方を変えられてしまうから、本気か冗談かわからない言葉をさらっと言ってしまうから―…
私はこんなにも戸惑ってしまうんだよ?
「―…寝室、行こうか?」
本日、三回目の微笑みに、私は、
「はい……」
と、頷いた。
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