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基本的に生徒会は魔闘祭で代表になった人間が務めるのだが、彼女は例外で一昨年は参加したものの、去年は参加していない。
そして、生徒会として選ばれた僕らも例外だった。
生徒会長ケトル=ストレングス。
書記ルーナ=カタルパ。
会計レディ=ロッテン。
庶務コーチ=クロック。
そして僕、副会長ユーリ=カリエール。
それと、同じく副会長、今ここにはいないがエルシー=スチュアート。
けれども、“例外だった”だけで、今は例外では無い。僕らは例外では無い事を勝ち取ったんだ。
異例だったらしい。代表として三年生が一人も選ばれなかったのは。
本来なら、カーミリアさんも此処へ居たんだろう。けれど、彼女も居ない。学園長からは一応留学扱いにしていると聞いたけど、何処へ行ったのかは教えてくれなかった。曰く誰かしらが追い掛けるのを防ぐためだそうだ。
でも、その一番追い掛けそうな人物は『帰って来るところを守る為にワタシは生徒会長になったの』と言っていたので学園長の計らいも杞憂だろう。
「ああ、そうだ。今年の対抗戦について学園長から聞いた事があるんだけど、聞いてくれるかい?」
何時しか書類の仕分けやその他作業に全員が没頭し、静かになっていた部屋で僕はそう口にする。上手く気持ちを切り換えていたところ申し訳無いけど、僕も時間があまり無く、それを皆も知ってくれているので少しは多目に見てくれるだろう。
「どうしたユーリ?」
「何かしら?」
「どうしました?」
「どしたの?」
口々に返事を貰い、全員の注目を浴びた所で、僕が学園長から書類を受け取った際に言われた事を正確に言葉に表した。
「今年の魔闘祭は、彼方の世界からも一校、参加を表明した学校があるしい」
「どこだ?」
「日本という国の青見原学園――」
国と学校名、それに逸早く反応したのは、相槌を打ったコーチ君ではなかった。
「それは本当ですか!?」
念を押すように確認したのはルーナさん。無理もない。一番彼から話を聞いていたのは彼女なのだから。
日本という国は、このハルバティリス王国に出現したゲートの先ある新しい隣国だ。そして、青見原学園の青見原とはその日本にある土地の名前。それはツカサ君という、この世界に迷い込んで、僕らの友人となった人の住んでいた所で、アトラスの森のゲートが繋いだ先にある場所だ。
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