藤木浩二の独り言 パート2

2/3
前へ
/539ページ
次へ
昼食時の社食が混むのは当たり前で、それが嫌なら自分の席で弁当を広げる。 社食は安くてボリューミーで栄養も考えられてると思われるから、一人暮らしの僕には強い味方だけれども、昨夜作り過ぎた酢豚を弁当に持ってきたから今日は弁当男子だ。 僕のチームの新藤君も弁当男子。 お姉さんの新藤さんが毎日作ってくれるらしい。 違う、月5000円を払って作ってもらっていると前に言っていた。 山根君も一人暮らしで、彼もまた僕のようにお弁当の日もあれば社食に行く日もあるしコンビニで何かを買う日もある。 ちなみに、今日は社食に行くと言ってさっき出て行った。 ぼくの所属する国内営業部の若きチームリーダーの澤田さんは春先に結婚されてから愛妻弁当を持ってくることが多い。 僕はこの澤田さんを尊敬している。 若くしてチームリーダーになっただけの仕事へそそぐエネルギーもさることながら、公私の区別をきっちりしているところが好感度が高い。 いや、私情まみれだけれども、そのエネルギーが凄いから。 水曜日はノー残業デー。 フレックスタイム制が導入されてから、コアタイムを過ぎれば退社をしても文句は言われない。 ・・・システム上は。いや、制度上は。 勤務時間を上回る仕事量の場合、いや、大概の場合は勤務時間よりも仕事量の方が多いに決まっている。 なので、一応の目安としての午後6時退社。 そして、水曜日はノー残業デー。 会社を挙げて取り組んでいるわけでもなければ部を挙げて取り組んでいるわけでもない。 全部、澤田さんが水曜日に帰りたいためだけに自分のチームは水曜日はノー残業デーを目標にしているだけだ。 が、彼の凄いところは有言実行。 脅威の集中力とエネルギーで、毎週必ず、仕事を残さずに水曜日はノー残業デーにしている。 彼のエネルギー源は、春先に結婚した奥様。 その奥様と一緒に過ごすためのノー残業デー。 早く帰りたい理由を隠しもしない。 フルオープンで全力投球。 すべてが眩しい人だ。 国内営業部の若きエース。 期待の若手社員に違いない。 僕の尊敬するチームリーダーは、とにかく凄い人だ。
/539ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3465人が本棚に入れています
本棚に追加