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見知った顔があったらびびるべ。
思ったときに、向こうも気が付いたみたいだ。
「ベスちゃん!!!」
座っていた椅子からガタンと立ち上がって驚いた顔をする新藤さんにこっちも驚いた。
ペコっと頭を下げると目の前の藤木が
「お久しぶりです、新藤さん。」
と大人の挨拶をするも、
「・・・ええっと・・・。」
藤木を覚えてないんだろうか!?
そこで気が付いた。
「新藤さん、アフロ頭の藤木です。」
私の言葉に目を見開いて藤木を見て気まずそうに
「あっ、ごめんね、すっかりイメージチェンジされてるもんだから、どこのご子息かと思ったわよ、はははははっ。」
っと若干、おかしなことを言っていた。
ご子息って。
新藤さんがここどうぞとばかりに、同じテーブルにつくことをアピールしてくるから・・・。
いや、藤木もすんなり自称、新藤さんの素敵な婚約者さんの隣に座るし・・・。
二人っきりもいいけど、アルコールのない席で藤木と仲良くご飯を食べるって今までなかったから、きっとこれで良かったんだべ。
「う~ん、なんか違うと思わないか?」
新藤さんの素敵な婚約者らしい酒井さんの一言に首をかしげる新藤さん。
「何が違いますか?・・・あっ、分かった。課長、こっそりおならしたんでしょ。」
声のトーンを落として、コソコソと話す内容がおかしい。
しかも普通にこっそりおならとか言い出すってことは、素敵な婚約者さんは前科があるにちがいねーべ?
一言、言っていいか?
やっぱ、素敵じゃないべ?
自称だよな、やっぱり。
「バカタレ、そんなことするわけねーだろ。席だよ、席。」
ガタンと立ち上がって、私の横に立ち、手であっち行けとジェスチャーされた。
なるほど、二人でご飯ならお向かいなのに、これが4人だったら隣に座りたいと・・・。
新藤さんの隣に座ってご機嫌そうに新藤さんを眺める酒井さん。
結婚を決めてる二人ってこんなに暑苦しいものだべか?
いや、見てる感じだと。
酒井さん≫新藤さん
な感じで酒井さんの方が気持ちが大きそうに見える。
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