ワキトーーーーーーークな合コン

5/29

3465人が本棚に入れています
本棚に追加
/539ページ
「あっ、ベスちゃん、イッシー、ウっちゃん、久しぶり!!!」 「ぶはっ。」 「ぶほっ。」 私とイッシーが吹きだしたのはほぼ同時。 そして、我々の笑い声に被せるように 「もう、違いますよー。ウっちゃんじゃなくて、南原ですってば。ナンちゃんですよー。」 可愛らしいアニメ声が響いて 「はははっ。ごめんごめん、久しぶり過ぎて名前間違えちゃったなんて失礼だったね。あははっ。」 と新藤さんが笑った。 しょっぱなから飛ばしてるなーと思ったら、新藤さんが一応、全員を紹介してくれた。 可愛らしい男の子が新藤さんの弟だってことにびっくりだ。 私はてっきりヘルメットみたいな面白い髪型をした男性が新藤さんの弟に違いないと思っていた。 新藤勇気君。 それが弟君。 そして、爽やか系の男性が幼馴染の山岸貴仁さん。 ヘルメットを被ったみたいな頭の男性は藤木さん。 そして、背が小さめの男性は山根さん。 ダメだ、なんか笑いのツボにはまりまくり。 イッシーに近寄って 「卑怯者の藤木に胃腸の弱い山根だな、くっくっくっ。」 と耳打ちしたら、イッシーも下を向きながら肩をプルプル震わせた。 すぐに国民的漫画の登場人物のことを私が言ったと分かったに違いない。 イッシーとは本当に気が合う。 笑いのツボもそっくりそのまま。 「ベスちゃん、今日、どこのお店に行くの?」 下を向いて笑ってる場合じゃなかった。 楽しいお店を予約したから、ウキウキしていたのをすっかりスコーンと忘れていた。 「じゃ、アムロ、いっきまーす。」 「セイラ、出ます。」 私がアムロでイッシーはセイラさん。 誰にも通じなくてもいいけど、ここに被せてくるのが新藤さんだ。 「俺を踏み台にしたなっ。って、ダメか。」 「やべっ、さすがみゅーの後輩だな、しょっぱなからツボった。」 爽やかな笑顔を浮かべた山岸さんの笑い声と、藤木と山根が小さな声で 「アニメだな。」 「ファーストだったな。」 と言った声が聞こえて全員にネタが通じる、掴みはオッケーとハイテンションになった。
/539ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3465人が本棚に入れています
本棚に追加