頑張れ 藤木

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なんとなく、テレビを見るでもなく疲れたなと思ってコタツに頭を乗せて目を閉じた。 テレビの音が頭の中を通り過ぎて行く。 ちょっと一休みな気分でそのままウトウト。 微睡んでる時間は贅沢だ。 遠くで藤木が髪の毛を乾かすドライヤーの音が聞こえてもそのまま目を瞑ってウトウト。 部屋が暖かくしてあるから余計に眠たくなってくるに違いない。 ガラガラっと台所と居間を繋ぐすりガラスが開けられた音を聞いて、目を開けた。 ネズミ色のスウェットの上下。 お互い様だけれども、付き合いだしたばかりで初めてのお泊りなのに二人とも緩いべ。 「ふはっ、ネズミ男だ。」 「そんなに前歯、出てないよ。」 確かにね。 だけど上から下までネズミ色だべ。 「手伝って。」 言われて、コタツにくっつけていた頭を起こして立ち上がった。 後ろを向いて台所に行った藤木の背中を見て、ムラムラしたべ。 お風呂上りは、ブラする派なのかしない派なのか。 右手を出して藤木の背中を上から下にすっと撫でてみた。 「わっ、な、何?」 驚いた声をあげて振り返った藤木の顔を見て、笑ってやった。 「ブラなしじゃん。脱がす楽しみがないじゃん。せっかくブラ男と付き合えるってのに。」 モジモジと恥ずかしそうに一瞬、目を伏せた藤木にまたムラムラした。 ウケかセメなら絶対に自分はウケだと思っていたけれども、藤木相手ならセメでもいいような気さえしてきたべ。 「脱がされるよりも脱がしたい方だけどなぁ。」 「ぶっ、エロいぞ、藤木。」 「男はエロいもんだよ。」 ふわっと笑った藤木の顔を見ながら、全然エロそうに見えないのに、エロいこと言いやがったと思った。 男と言うよりも、藤木というカテゴリが必要だべ。
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