3465人が本棚に入れています
本棚に追加
男の上目使いはどうなんだべ。
藤木の場合は可愛いべ。
遠慮がちにこっちを見つつ、恥ずかしそうに
「あのね、フラれるかもしれないと覚悟していたんだから用意してないんだよね。アレ。」
藤木の言葉を頭の中で反芻しながら、アレが何かを考えるまでもなく思い至った。
なるほどっ!!!
ないからしないが藤木の思考か。
目の前の缶チューハイの缶を掴んで残りを一気。
クワっと熱くなる喉と顔。
いい気分だべ。
押せ押せモード開始だ。
「ないなら買いに行けばいいべ。後からコンビニへ行こう。おっし、決定♪」
「酔っ払ってるでしょう。」
藤木に聞かれるまでもなく、酔っ払ってるに決まってる。
「それなりにねっ。」
にやにやしてると思う。
「覚えてないとかって嫌なんだけど。」
私の口の中にお好み焼きを突っ込んできつつ、コタツの上に置いてあったアルコール類が私の手の届かないホットプレートの向こう側に移動させられていく。
「言ってる意味、分かる?抱くなら、ちゃんと僕としてるって覚えてて欲しいんだけど。」
ウホッ。
なんだよ、藤木の乙女チック。
赤い実がはじけました。
ドキュンときました。
多分、私が男だったら今の一発でフルボッ・・・みなまで言うのはやめておこう。
さすがに酔っ払っていてもお下品だべ。
「へへへっ。了解でありまーす。酔いをさましてコンビニへレッツラゴーであります。」
敬礼もしてみた。
気分が良すぎてふわふわしすぎてどんな会話をしたとか、そういうのは全部がどうでもよくなったべ。
「酔っ払ってるうちに言っておきたいことがあるんでありまーす。」
藤木を見たら、目をパチパチさせてる。
「大好きでありまーす。襲いたいぐらいにムラムラっときたのでありまーす。」
「ぶはっ。バカなこと言ってると抱かないよ。酔っ払ってるじゃん。」
藤木がふわっと笑った顔を見て、やっぱり好きだしムラムラきた。
最初のコメントを投稿しよう!