頑張れ藤木 パート2

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「コージー。コージー。どれがいいの?」 まさかと思ったら棚の前で真剣な表情をして見てる。 どれでもいいし恥ずかしいから。 慌ててベスのところに行って、手っ取り早く箱を一つ掴んだ。 「へー、人生が変わるって書いてあるね。いい方に変わってくれるといいなー。」 ニヤニヤしながら言ってくるベスの顔を見て 「すでに僕の人生を変えた人がいう言葉ですかね?」 と聞いてみたら首を傾げてる。 ブラジャーしてる男を見て、ブラを見せてと言いだす女の子がいるとは思ってもなかったし。 酔っ払ってるとはいえ、付き合いたてで襲ってくるとは思わなかったし。 けっこう、いろいろとカルチャーショックを受けてるのにな。 今度はアイスクリームを見てる。 「食べたいなら買ってあげるよ。」 「わーい、アイシテルー。」 棒読みでも、アイシテルなんて言われたら嬉しいに決まってるのに。 そういうのを、こともなげに言ってくる姿がずるい。 「冷凍庫に入れておいて、ヤッた後に食べよう。」 こらこらこらこら。 小さな声でなら言っていいってわけじゃないだろう。 バカモノだ。 それなのに、ベスの言動の一つ一つに笑ってしまうんだから僕が注意したって説得力の欠片もない。
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