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家まで帰る途中でベスの横に並んで、その右手を掴まえたら、走りながら僕の方に視線を寄越してニコッと笑った。
走っているからドキドキしているのだけど、その顔は反則だろうと思うくらいに可愛らしかった。
いつもの豪快で強烈な彼女がそんな風に笑うのかと思うほど、可愛らしくニッコリした。
走るスピードを緩めた彼女に合わせて僕も走るスピードを緩めた瞬間。
繋がれた手を振り払われて
「ラストスパートーーーーーーーー!!!!ゴーーーーーーーール!!!」
一人、大きな声で叫びながら僕の車の横を両手を突き上げて走り抜けて行った。
可愛かった。
最後にずるして走って勝とうとする姿が可愛く見えて笑ってしまった。
「コージー、約束のブラっ!!!」
それを大きな声で言うなよと急いでベスの元に駆けよってそのまま玄関前の物置の引き戸にベスを押し付けて唇を塞いでやった。
僕を見上げて驚いた顔をするベス。
街灯の心もとない灯りの下でこっちを見上げるベスの顔が薄ぼんやりと照らされてムクムクと胸の中で欲求が湧き上がってきた。
トントンと胸を叩かれ、解放してあげたら、
「藤木のくせに生意気だぞっ!!!」
と理由もへったくれもないような罵り声をあげてる。
そういう姿もなんか可愛いと思う。
「いいじゃん。」
引き戸を開けて、ベスを中に引き入れ、外の引き戸を閉めて玄関を開けてベスを玄関の中に。
冷凍庫中にアイスクリ―ムをしまって、振り返るとこっちを見てるベスの顔。
「このまま、上に行く?」
僕の寝室に行くかどうかをこの期に及んで聞いてるってへたれかなと思いながら2階を指差したら目を輝かせてる。
「行く、行く。コージーの秘密の部屋だ。ブラがいっぱい転がってたりするか?」
普通にそれはないでしょう。
ベスの思考回路に苦笑い。
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