頑張れ藤木 パート2

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2階に案内したらベスはギャーギャーと興奮した様子で若干煩かった。 ただの部屋になんでこうも興奮できるのか。 「ウホッ。2階も昭和だっ!!!この急勾配な階段、危険だべーーー。ひゃっほうっ!!!」 階段が急なだけでテンションがあがるベスが面白い。 酔っ払ってるからなのか、素なのか分かりかねるけれども元気いっぱいだ。 二間続きの部屋の南側を寝室に北側を物置として使っているから、物置として使っている方の部屋から布団を引っ張り出そうと押入れを開けて布団を持ち上げ、振り向いた瞬間に焦った。 「うひょひょひょーーー。私のブラより可愛いーーー。」 透明のプラスチックケースに顔をくっつけて中身を覗き込んでる。 勝手に開けたりしないあたり、最低限のモラルかルールはあるらしいけど、それってどうなんだろうって思う恰好だ。 子供が欲しいオモチャの入ってるガラスケースに顔をくっつけてるみたいな図。 「ほら、あっち行って。布団を敷くから。」 「えーっ。見ていい?」 「・・・ダメ。」 「じゃぁ、パンツ、見ていい?」 「・・・ダメ。」 「えー、いいじゃん、減るもんでもなし。」 ブツブツと文句を言うベスに内心呆れつつも、僕の気分は上々だったりする。 ブラ全否定どころか肯定だよね。 受け入れてるうえに見たいとかって言ってるんだよね。 悔しいけど、人としてベスは大きいと思う。 負けてる。 キョロキョロしながら、プラスチックケースの中身が気になって仕方ないみたいにソワソワするベスをよそに毛布と掛布団と枕を並べた。
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