頑張れ藤木 パート2

12/12
前へ
/539ページ
次へ
あまりの有り得ない事態に笑うしかない。 僕の体、どうしてくれるよ。 コンビニまで行って、買うって言ったのはどこのどいつだよ。 めくった布団の下で体を丸めてすやすやと寝息をたてられたら襲う気が失せる。 有り得ないでしょ。 あぁ、そうか。 有り得ないのが富田絵里って人だな。 ワキガのカミングアウトに始まり、名古屋駅前のジョイナー。 僕のアフロ頭を触ってドキドキさせて颯爽と帰ったり、横断歩道で本気で走ったり階段を全力で駆け上がったり。 この2カ月の間に、たくさんのベスを見てきた。 お好み焼き屋で全力でお好み焼きの具材を掻きまわして笑い、こどもビールで酔っ払えるような愉快な女の子だ。 決死の覚悟でブラジャーのカミングアウトをすれば、取りあえず見せろと言ってきたのちに、触ろうとするし。 挙句の果てには、男の僕よりも積極的にヤリタイアピール。 思い出せば思い出すほど、愉快で自分の頬が緩んでいく。 だよね、全力で食べて遊んだら電池が切れて眠たくなったとしても間違ってない。 そう言えば、宇宙一美味しい焼肉店 肉の石川 に行った帰りもさんざん酔っ払って寝てたな。 ベスの体に布団をかけて僕も狭い布団の中に転がった。 しばらくしたら僕の体に手をまわしてきたけれども、手の動きが怪しい。 なんで僕の胸、しかもピンポイントでバストトップに手を置くんだろう。 寝てるときまでちょっとおかしい彼女と言う人に笑ってしまう。 それから、ベスの寝息を聞きながら僕も気持ちよく寝たけれど。 夜中に寒いと思って目が覚めたら、ベスが布団にくるまって敷布団の外に出て行ってる。 どんだけ世話の焼ける人だよ。 ベスの布団をはいで、ベスを敷布団まで移動させて布団をかけてやったら、やっぱり無意識にベスの手は僕の胸に・・・。 きっとベスは生粋の変態だ。 でも、そんなベスのおかしな手に触られながら寝るのもいいものだと思った僕もちょっと変態に違いない。 ブラジャーする程度の軽い変態だけどね。
/539ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3465人が本棚に入れています
本棚に追加