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二人で布団の上で笑い転げていたけれども、笑いがおさまって顔を見合わせて、やっぱりそのまま、また笑った。
「ナニコレ。なんかすげー楽しいんだけど、朝からどうしてくれるんだよ。」
楽しいなら、問題ないべ。
楽しいのが私だけじゃないならますますいいべ。
「じゃ、とりあえず、ヤッておくか。」
私が藤木の胸元めがけて手を伸ばしたら、手を掴まえられた。
「おかしいでしょ、なんでそっちが僕に手を伸ばすのさ。」
「えっ?そりゃ藤木が可愛いからに決まってるべ。」
「エリーのお仕置き、決定♪」
ニヤッと笑われて気が付いた。
しまった、藤木って言っちゃった。
さっきは、私にスウェットを引っ張られてお尻を出してたくせに、私の手を掴まえた藤木が悪い顔をしてるべ。
なんか嫌な予感しかない。
「はははっ、紅葉狩り、早く紅葉狩りに出発しないとっ!!!」
「ん?まだ6時だから大丈夫。とりあえず、ヤッておくんでしょ?エリーが言ったんだよ。」
ドキドキ煩い心臓の音。
おさまれ。
って言うか、藤木のキャラがおかしいべ。
紳士な藤木はどこ行ったべ。
「ダメ、やっぱ、ダメ。ほら、ワキ、さっき臭ったしな。」
両手を頭の上で一つにまとめられて見下ろされてる恰好もおかしいし、藤木の真剣な目に見つめられるのも恥ずかしい。
逃げないと。
ワキに顔を寄せるでねーーーー!!!!
「わーーーーーー、やめてやめて、本当にやめて。」
身を捩って藤木の顔から自分のワキを逸らそうとするものの、藤木の顔は左ワキへ。
「大丈夫、大丈夫。これぐらい、平気だよ。」
恥ずかし過ぎる。
平気と言われても恥ずかしいに決まってるべ。
顔が熱い。
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