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なんとなく、会話を続けられずにモソモソと食べ続け食事が終了してしまった。
視線を感じて顔を上げたら、ぶつかった私と藤木の視線。
私の視線の先でふわっと笑った顔に、赤い実が弾けた。
弾け飛んだ。
「午後から何をする?」
何をするかと聞かれても・・・。
「ふじ・・・コージーのブラを検分する。」
「いや、それはダメだって。そんなことしてまたムラっと来たら襲っちゃうよ?」
キュンときた。
優しくふんわりと笑う育ちの良さそうな藤木と、言われた言葉のギャップにクラっとする。
「じゃぁ、ラジオ体操でもするか。ジャージだし、そっちはスウェットだし。」
とりあえず、これ以上襲われるのは勘弁だと思って適当なことを言ったらケラケラと笑い出した。
「なんだよ、それ。聞いたことがない。もっと他にしたいこととかないの?せっかく二人でいるのにラジオ体操?あはは、さすがエリー。」
藤木の過去に付き合ってきた女の子が、ラジオ体操でもするかと言うようなタイプでなかったことだけは分かったぞ。
だよね、まがりなりにも大企業にお勤めだしきっと大学だっていいところを出てるに違いない。
背だって低くないし、顔だって悪くない。
ブラ男でなければ、ご自慢の息子だったに違いない。
そんなご自慢の息子がブラ男だった事実を藤木の親は受け入れがたかったのかもなー。
「コージーの家族について聞かせてよ。それとか、過去の彼女とか。いやそれはやっぱり遠慮しておこう。お互いを知るために話した方がいいことってあるでしょ。なんか話そうよ。」
「いいね。お腹、まだ余裕ある?後片付けして着替えたら近所のカフェにでも行く?」
聞いたか?
近所のカフェ。
なんて育ちが良さそうな響きだべか。
普通、愛知県民なら、喫茶店だべ。
しかも、午後から行かないべ。
普通は午前中にモーニングに行くべ。
「行く!!!」
ついつい、力んで即答したべ。
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