カフェ ユーフラテス

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普通の喫茶店に見えるけど、ここはカフェらしい。 「浩ちゃん、紹介してよっ。」 真っ赤な口紅の熟女が口を開いた。 藤木が笑いながら 「富田絵里さん、皆にはベスって呼ばれてるんだよね?」 知ってるくせにと思いながら頷いたら 「ベスちゃんね。で、彼女なの?」 ワクワクしてます、好奇心いっぱいですって顔をしてるべ。 「うん、そう。で、この人、俺の伯母さん。父親の姉なんだ。」 父親の姉ってことは、ええと父親の姉だべ。 「浩ちゃんってば、そんな紹介しないでよ。千恵さんって呼んでねっ。」 「はい。」 いきなり、藤木のパピーのシスターに紹介されてちょっぴりドキドキだべ。 だってさ、親戚とか親に紹介されるってことは、真面目に付き合ってるべ? 遊びだったら、絶対に親戚の店になんて来ないべ? ドキドキしながら千恵さんを見た。 「あらやだ、ご注文はお決まりでしたか?」 千恵さんが私を見てきた。 ご注文かぁ。 目の前にあるメニューに手を伸ばそうと思った瞬間に 「スペシャルパフェ1個頂戴。二人で食べるから。」 勝手に藤木が注文してしまった。 勝手に注文するのが好きだな、藤木。 お好み焼きのときもそうだったし、楽でいいべ。 「えぇっ?食べれるのぉ?」 「食べるよ。いいじゃん。」 何だ何だ、このやり取り。 まさか、バカデカイパフェなのか!? さっき、取るのを止めたメニューに手を伸ばしてどれくらいスペシャルなのか確認しようとしたけれども、文字だけしか書いてない。 スペシャルパフェ 2000円 うん、値段がスペシャルだべ。 そして、値段相応のモノを出そうと思ったらかなり大がかりなパフェになりそうだべ。 「ふふふっ。一人じゃ食べきれないから注文したことなかったんだよねぇ。」 藤木、甘党疑惑浮上。 ブラ男はスイーツ男子だったのか。 意外だけど、いいべいいべ。 なんかテンション上がるべ。
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