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「お待たせしました~。」
藤木を見ながらドキマギしていたら、想像以上にバカデカイ、スペシャルパフェが登場した。
うん、なんじゃこりゃーって言いたくなるべ。
さすがに言わなかったけど・・・。
藤木が食べてみたいと言ったわけが分かった。
大きなパフェ用のガラスの器というか、グラスの中にたっぷりの生クリーム、アイス、白玉だべか?
ケーキも二つばかり目視で確認できるべ。
それにプリンも投入されてるべ?
混ぜるな危険だと思うが、これでいいのだろうか。
そして、アイスに突き刺さるウェハースに棒状のお菓子にイチゴが盛りだくさん。
2000円で、儲からないんじゃないだろうか、この店。
大丈夫だべか。
「はい、こっちがエリーのスプーンね。」
にこにこしながら渡された柄の長いスプーン。
「すごいの、キタね。びっくりした。」
「これ、食べながら話したらきっといっぱい話せるだろうなって思ったから。」
早速、アイスクリームにスプーンを入れながら微笑みを浮かべて藤木が言った。
うん、きっとたくさん話ができるに違いない。
取りあえず、私もアイスに突き刺さるウェハースに手を伸ばして、一口目を食べた。
「まいう~。」
私が言えば藤木も笑って
「まいう~。」
と答えてくれる。
バカバカしくも楽しいやり取りが愛しいと思う。
視線を感じて前を向いたら千恵さんが私と藤木を見ていた。
なんか恥ずかしいと思った。
「ふふっ、浩ちゃんが彼女ねぇ。今度、春さんと仁に会ったら彼女と仲良く浩ちゃんが来たって伝えておくから。そろそろお互いに意地を張らずに仲直りしなさいよ。」
春さんと仁が藤木の母上様とパピーを指すことは、すぐにピンと来た。
お互いに意地を張らずに仲直りしなさいは、勘当されて家を出たと言った藤木とパピー達の一連のやり取りだよね。
「ははっ。きっかけを無くしちゃってるっていうか。まぁ、そのうちね。」
どこ吹く風の藤木に呆れ顔の千恵さん。
そっか、藤木のご両親も藤木のことを見捨ててるわけじゃないんだべ。
なんか、ホッとした。
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