カフェ ユーフラテス

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カフェ ユーフラテス のスペシャルパフェはなかなか手強い。 最初のうちは、いいんだべ。 甘い物って無条件に美味しいから。 ただ、二十代も後半になってくると、ガラスの十代の頃のような繊細な心も強靭な胃袋も持ってないということがよく分かる。 「甘い・・・。そして、まだまだ見えてこないよ、底。」 「まぁ、いいじゃん。ゆっくり食べようよ。あっ、コーヒーでも飲もうか。千恵さーん、コーヒー二つお願い。」 半分くらいまで食べ進んだところで、私が弱音を吐いたら藤木がコーヒーを注文してくれた。 そうだ、甘くないコーヒーと一緒に食べれば、食べられるはずだ。 さすが大企業勤務だべ。 気が利くね。 最初のスピード感はどこに行ったのかと思うくらいに、のそのそとスプーンを動かす私と、最初からゆっくり目でありながらスピードを落とすことなく楽しそうにパフェを食べる藤木。 ウサギとカメだ。 藤木は堅実なカメに違いない。 そして、私は無計画なウサギ。 今、脳裏によぎった言葉は ご利用は計画的にだ。 計画的にご利用になればいいってものじゃないだろうっていう感じの企業が流してるCMのキャッチフレーズが頭の中に出てくるとは。 「まいう~。」 藤木を尊敬する。 パフェの中に入っていたケーキを食べ終えたと思ったら次はプリンに突撃してるべ。 「そんなに美味しいの?プリンって。」 プリンってそんなに好きじゃないけどな・・・。 「うん、プリンはタマゴで出来てるんだよ。知ってた?その事実を知った日から僕はプリンが大好きだよ。」 ザ・意味不明。 プリンがタマゴで出来てることを知った日からプリンが大好きなら、藤木の好きな食べ物はプリンではなくタマゴだろっ。 大企業に勤務する人ってやっぱり頭の中がちょっとおかしいんだべ。 でも、頭の中がちょっとおかしなヤツだから楽しいに違いないべ。 そして、藤木は中よりも外の方がおかしくて面白かったんだけどなぁ・・・。 アフロじゃないと普通だべ。 残念。
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