3465人が本棚に入れています
本棚に追加
「お待たせしましたー。」
千恵さんがニコニコしながらコーヒーを運んでくれた。
助かった。
この甘い、そして巨大なスペシャルパフェを前にしたらブラック無糖なコーヒーが砂漠に出現したオアシスに見えるべ。
真っ黒なオアシスっておかしいな。
油田だな・・・。
これで、私も億万長者だべ。
カップに手を伸ばして、慎重に一口目を啜って味わう。
このコーヒー独特の苦みと香り。
堪らんべ。
大人の階段を着々と登っているからこそ、楽しめる香りだべ。
口の中がスッキリしたから、私もスプーンを握ってパフェに。
バナナはそんなに好きじゃないから掬わないようにして、白玉&生クリームを咀嚼。
「まいう~。」
甘ったるいけど、コーヒーがあるし。
が、目の前の藤木を見てギョッとした。
まさか、まさか、せっかくブラック無糖のコーヒーなのに。
パフェの器の中から生クリームを掬って、コーヒーのカップの中に投入。
ウホッ。
スイーツ&スイーティドリンキング。
あぁ、しかも、二回目の生クリーム投入。
そして第三波。
三回も生クリームを入れたよ。
甘そうだべ。
いや、でも、うん、砂糖は入れてないみたいだし、きっとそこまで凄くないべ。
「エリーもする?ウィンナー・コーヒー。」
「しないです。見てるだけで甘いです。」
「そうなんだ、これってさ、初めて名前を聞いたとき、ソーセージが入ってるって思わなかった?」
朗らかな顔であります。
しかも、私もソーセージの入ってるコーヒーを想像した過去があるし。
笑ってしまった。
「そうだね。」
「だよねー。本当はウィーン風のって意味らしいよ。」
そうなんだ、ウィーン風のなんだ。
ふと思いついて、大昔から好きな芸能人の真似を披露してみた。
「ぶはっ、バカだね、エリーは。それはウィーンじゃなくてアイーンでしょ。はははっ。」
通じたらしい。
そして笑ってる顔が見られた。
やっぱり、人を笑わせるってのは
チョー気持ちいぃ!
最初のコメントを投稿しよう!