カフェ ユーフラテス

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「お待たせしましたー。」 千恵さんがニコニコしながらコーヒーを運んでくれた。 助かった。 この甘い、そして巨大なスペシャルパフェを前にしたらブラック無糖なコーヒーが砂漠に出現したオアシスに見えるべ。 真っ黒なオアシスっておかしいな。 油田だな・・・。 これで、私も億万長者だべ。 カップに手を伸ばして、慎重に一口目を啜って味わう。 このコーヒー独特の苦みと香り。 堪らんべ。 大人の階段を着々と登っているからこそ、楽しめる香りだべ。 口の中がスッキリしたから、私もスプーンを握ってパフェに。 バナナはそんなに好きじゃないから掬わないようにして、白玉&生クリームを咀嚼。 「まいう~。」 甘ったるいけど、コーヒーがあるし。 が、目の前の藤木を見てギョッとした。 まさか、まさか、せっかくブラック無糖のコーヒーなのに。 パフェの器の中から生クリームを掬って、コーヒーのカップの中に投入。 ウホッ。 スイーツ&スイーティドリンキング。 あぁ、しかも、二回目の生クリーム投入。 そして第三波。 三回も生クリームを入れたよ。 甘そうだべ。 いや、でも、うん、砂糖は入れてないみたいだし、きっとそこまで凄くないべ。 「エリーもする?ウィンナー・コーヒー。」 「しないです。見てるだけで甘いです。」 「そうなんだ、これってさ、初めて名前を聞いたとき、ソーセージが入ってるって思わなかった?」 朗らかな顔であります。 しかも、私もソーセージの入ってるコーヒーを想像した過去があるし。 笑ってしまった。 「そうだね。」 「だよねー。本当はウィーン風のって意味らしいよ。」 そうなんだ、ウィーン風のなんだ。 ふと思いついて、大昔から好きな芸能人の真似を披露してみた。 「ぶはっ、バカだね、エリーは。それはウィーンじゃなくてアイーンでしょ。はははっ。」 通じたらしい。 そして笑ってる顔が見られた。 やっぱり、人を笑わせるってのは チョー気持ちいぃ!
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