藤木浩二の独り言 パート3

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カフェ ユーフラテス は僕の伯母さんのやってるカフェ。 そこにベスを連れて行ったのは思いつきだったのだけれども、連れて行って良かったと思った。 千恵さんが父親や母親とときどき話してることは、今までの言葉の端々から伝わってきてるし、一応、父も母も僕が家を出て行った後も僕のことを気にしてることは千恵さん経由で知っていたから。 ブラジャーしてる僕を受け入れがたかったとしても、ブラジャーしてる僕を受け入れてくれる女の子が存在するって知って欲しかったのもあるのかもしれない。 「そうだ、コージー、縄跳びしようよっ!!!運動しないとお腹が減らないって。」 カフェ ユーフラテスから走って帰ってきて、ベスのワキの臭いを嗅いでみた後、家の中に入って真っ先にコタツに突撃した人の言葉かなぁと笑った。 「ん、ごめん。縄跳び持ってないし、運動だったらさ上に行って二人でいいことしようよ。」 くくくっ。 目を見開いて固まったベスの顔が可愛い。 コタツの中でベスの足を軽く蹴ったら我に返ったようだ。 「勘弁して下さい。もうお腹いっぱいです。他の運動がいいです。」 ふふふっ。 「だよねー。僕だってエリーのこと大好きだし、抱きたい気持ちもあるけどさすがに朝からいっぱいしちゃったしエリーを満足させてあげられなかったら嫌だから他の運動にしようか。」 また、目を見開いて固まってる。 可愛いんだけどなぁ。 いつもは、ベスの方がアグレッシブなのに。 気が付いてしまった。 ベスはアグレッシブに押してくるけど、押されるのにはめっぽう弱いらしいことに。 「あっ、散歩。散歩とかは?」 とってつけたように言うベスが可愛い。 そこまでして抱かれたくないって言われるのも癪だけど、今朝は確かに張り切りすぎたし、ちょっと反省だ。 「いいよ。行こうか。歩いて行けるところに娯楽施設もあるしね。」 「娯楽施設!?ゲーセン?ねぇ、ねぇ、それってゲーセン?」 目を輝かせた彼女をからかってみたくなったのは男のサガだと思いたい。 「ん?ラブホ。」 ほらね、むせてる。 可愛いぞ、エリー。
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