藤木浩二の独り言 パート3

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「あはは、冗談に決まってるでしょ。おバカさんだね。ここがあるのにラブホになんて行かないでしょ。」 笑った僕を軽く睨んでくる顔も新鮮で可愛い。 「もう帰るケロ。」 プイッと横を向いたベスに笑って、立ち上がった。 「そっか、送ってくケロ。」 えっという顔をしてこっちを向いた顔を見て噴きだした。 「なわけないでしょ、おバカさん。散歩、行こう。」 僕が立ち上がったら、ベスも立ち上がった。 散歩と言っても、本当にただ近所を歩くだけしか思いつかないけれども、それでもいいのだろうか。 そして、近所を歩いていたら、僕の実家も近いんだけどなぁ・・・。 ただの散歩だというのに、楽しそうなベス。 交差点に差し掛かる度に 「右?左?まっすぐ?」 と聞いてくる。 「どっちでもいいよ。道は繋がってるんだしエリーの行きたい方向でいいよ。」 そう言えば、キョロキョロと辺りを見回して、自分の勘に従って進む方向を決めているようだけれども、グルグルと同じ場所をまわったりしてることもある。 「もう、ずいぶんコージーの家から離れた?」 全然、離れてないよ。 何で分からないんだろう。 「まだそんなに離れてないけど?」 「じゃぁ、しばらくは真っ直ぐ歩くことにする。」 鼻歌でも歌いだしそうなくらいご機嫌な様子。 ただ歩いてるだけなんだけど、ご機嫌な彼女と同じくらいに、僕もご機嫌かもしれないな。 ただ歩いてるだけでも、嬉しいんだから。
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