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「次はコージー。」
僕を振り返って、早く飛べと催促してくるベスに苦笑い。
僕、そんなに飛べないと思うな・・・。
でも、ベスに負けるのは癪だし。
足を曲げて、グン、グンとブランコを漕ぐ。
そして、いくぞと思ってブランコから離脱。
飛び上がったら、その視界にベスの驚いた顔が一瞬見えた。
それに、自分で飛んでみて驚いた。
一瞬だったけれども、想像よりもずっと飛んでた。
自分の足の裏に慣れない衝撃を感じて着地。
隣のベスを見て笑った。
「僕の勝ちだね。」
ふふんと余裕の微笑みだ。
「コージー、大人げない!!!普通さ、男の人の方が運動神経がいいんだから手加減するでしょっ!!!」
ワーワーと喚くベスの手を握った。
ちょっと冷たい。
「うん、分かった。手加減するから家に帰って温まろうか。」
「・・・何の手加減?」
訝しんでる顔。
笑っていいかな。
「絵里のえっち。でも、僕の考えたことときっと一緒。」
「えっ、えっちって、こら、えっちって言うヤツの方がえっちだぞっ。」
動揺するベスが可愛くて声をあげて笑った。
「寒くなってきたし、帰ろう。そんで、二人で温まったら送ってくよ。夕飯、何が食べたい?」
「ちょっと待った、二人で温まったらって何だよっ!!!」
「んー?僕としては二人で布団の中でいいことしたいけど、それがダメならコタツの中でくっついて温まるだけでもいいよ。」
「・・・そうですか・・・。」
ほらね、あの顔。
可愛いったらない。
さっきまで元気いっぱいでブランコに乗ってた顔が、強張るとかってないでしょ。
アグレッシブなのに、自分が押されることにめっぽう弱いのは確実だな。
ベスの弱点、発見♪
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