コンビニ おでん

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そこそこの量のおでんを持って藤木の家に向かう。 寒い、そしてどんどん暗くなっていく景色。 黄昏時は見にくいから事故に注意だけどさ。 見にくいってことは、逆に見られたくないことをするときにはもってこいだべ? 例えば、そう、繋いだ手を離して藤木のジャケットの背中に手を入れてブラの存在を確かめるとかさ。 こんな風に。 「こら、変なことしない。手はここでしょ、おバカさん。」 「へへへっ。」 また繋がれた手が嬉しいべ。 「エリーって子供みたいだよね。掴まえてないと何をしでかすんだか分かったもんじゃない。」 子供かぁ。 子供ねぇ。 なんかちょっと複雑かもしれないべ。 「あっ、でも子供じゃないか。僕は子供とあんなこととかこんなこととかしないもんね。ふふふっ。」 爽やかに、隠してるようで隠されてないエロ発言。 いや、いいんだけどさ。 別に構わないんだけどさ。 なんか聞いてるこっちが照れるし。 「やっぱりさ、送ってく前にシテおこうよ。」 ウホッ。 おかしいべ。 それ、おかしいべ。 別に嫌じゃないけど、いいよって答えるのも変って言うか恥ずかしいっつー話だべ。 「エリー、聞いてる?」 うんうん、聞いてるべ。 そんな風に可愛らしく繋いだ手をギュッと握られて、こっちの胸もドキドキでギュッときた感じだってのに。 「聞いてる。」 「返事してよ。いいとか悪いとか。」 「悪いって言ったらどうなるの?」 「ん?来週まで我慢するから大丈夫。」 ふふっと笑い声が聞こえた。 「そっか、いいよ。手加減してよ。」 「もちろん。」 変態絶倫野郎の藤木も藤木だけど、ここで素直に応じようと思ってしまった私も私だな。
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