プロローグ

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1本の電話が運命を変える。 1通の手紙が運命を変える。 そんな出だしの小説を読んだことがある人がいるんじゃないだろうか。 そして、そんな運命を変えるような電話が現実世界にあるかよって突っ込んだ人もそれなりにいるんじゃないだろうか。 私の運命を変えた電話は夏の暑さも遠のきつつある、秋の訪れを感じつつある9月のある日にかかってきた。 スマホの画面には、大学時代のサークルの先輩の名前。 新藤美由紀 珍しいなと思って電話をとったのは月曜日のお昼だった。 「もしもし。」 「あっ、ベスちゃん?お疲れ様でお久しぶりで悪いんだけどね。」 これが俗に言う単刀直入ってやつだ。 「何ですか?」 「うん、本当に悪いなって思ってるんだけど、頼める人が思い浮かばなくて・・・今週の金曜日の夜って暇?」 週末金曜日の夜が暇かって? 月曜日のお昼にすでに金曜日の夜の予定が詰まってる人なんて彼氏持ち以外にいないでしょう。 「・・・残念ながら、暇ですよ。」 「良かった~。あのね、本当に申し訳ないんだけど、合コンに付き合ってくれないかな。」 ・・・・・・はっ? まさか、新藤さんの口から合コン。 あの新藤さんが合コン。 婚活ってやつか? 2歳年上の新藤さんは今年30歳になったはず。 いろいろと疑問は尽きないから、お昼休みの残りを費やして合コンの詳細を聞きだした。 それから、メンバーを集めてくれと頼まれて、面白そうだからそっちも了解した。 「本当に助かる、ありがとう。今度、キュン死確実で全然有名じゃない漫画、貸すからね。ついでに、新手のスピリチュアルな人の本も貸すからね。」 さすが、漫画同好会でオカルト研究会の先輩なだけある。 ツボを心得ていらっしゃる。
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