コンビニ おでん

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「まずは、タマゴから~。」 おいおい、おでんでしょっぱなからタマゴか? いや、6個もあるしタマゴで始まり、最後もタマゴシメで良い気もする。 何もかもが藤木ワールドだ。 「エリー、お酒飲みたい?缶チューハイなら残ってるよ?」 昨日の残りがあるって言ってることは、分かってるけどさ。 「いらないよ。そんなにいつもいつも飲んで酔っ払ってるわけじゃないし。」 アルコールばかり飲んでるわけじゃないと思いながら、私は厚揚げから。 「そう?残念。気分良く酔っ払ってるエリーの姿、けっこう好きだけどな。」 微笑む顔を眺めながら、こういうことをサラッと素面で言える藤木は凄いと思う。 「何か言ってくれないと、淋しいんだけど?」 小首を傾げて、私に返事の催促をしてくる姿が可愛いべ。 「好きって、言わない人かと思ってたけど、言うんだね。」 お互いに好意を持っていたことは確実で、昨日、付き合いだすことに決めたことも分かってて。 もっと前から好きって言っててもおかしくないような付き合い方をしていたような気もするし。 私も言わなかったし、藤木も言わなかったから、大人になると好きって言わないのかと思ったりもした。 ふわっとキレイに口角をあげて笑顔を作った藤木。 目尻が下がってる。 「言わないとエリー、言ってくれないでしょ?酔っ払ってなかったら。」 図星です。 私は素面では言わないタイプかもしれません。 もぐもぐと厚揚げを咀嚼して苦笑い。 ごくりと飲み込んだ後、藤木のご要望にお応えした。 「好きだよ。ブラ、見せてくれたらもっと好きになるよ。」 「ぷっ、あははっ。僕はそういうことを言うエリーが好き。」 藤木の体が揺れる。 それと一緒にコタツも揺れる。 そして私の心も心地よく揺れる。
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