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「何、難しい顔してるの?」
聞かれるまで、藤木という人について考えていた。
目の前の交差点は赤信号。
藤木はこっちの様子を窺っていたのだ。
「難しいのは私の顔ではなく、コージーという人物かなと思っただけ。」
「ふっ、なにそれ。僕なんて単純明快でしょ。隠し事もできないタイプだし?」
口笛でも吹きそうな軽い受け答え。
そして、青信号でのセーフティドライビング。
隠し事もできないタイプ。
これは、重要だべ。
隠し事ができないってことは、陰でコソコソ悪さをしないことに通じる。
浮気も借金もしないってことだべ。
そして、自分の趣味はオープンでブラ男。
「会社の人、知ってるの?」
「・・・隠してる。」
若干の間の後の言葉。
隠し事のできないタイプじゃなべ。
「隠し事、できるタイプじゃん。」
「プライベートな付き合いでは隠し事をしないに訂正。」
「はははっ。ねぇねぇ、ブラとパンツ。お揃いだったりするの?」
興味本位。
昨日の夜は普通にトランクスっぽかったけどな。
ブラを装着してるときは上下お揃いが基本だろうか。
だとしたら、私よりも女子力が高いべ。
「揃いの可愛いのとかあるよ。」
「ぶはっ。あははははっ。ごめん、想像したら笑えてきた。バカにしてるわけじゃないけど、可愛い上下セットしてるコージーの姿を想像したら、やばい。あははははっ。見たい、見たい。今度、見せて。」
テンション上がった。
可愛い上下のセットに身を包んだ藤木の姿。
密事だべ。
大きな会社にお勤めの藤木の秘密。
いや、蜜事で秘蜜な感じ。
そそられる。
脱がしたい。
そして襲いたい。
「ダーメ。」
「いいじゃん。見たらもっと好きになるって。」
「・・・そういうこと、さらっと言うエリーはずるい。自分から好きって言わなさそうなのにさ。こういう場面で言うとかずるいよ。」
ボソボソと抗議してくる藤木が可愛い。
あぁ、やばいやばい。
苛めたくなる。
是非とも、上下セットの下着を披露してくれたときには、私が攻めてみよう。
へへへっ。
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