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「変態。」
「コージーも変態だからいいじゃん。お似合いだケロ。」
「ぶっ、本当だケロ。あはは。僕も変態だったね。ブラしてる程度に。」
「ぶっ。笑わせてくるなケロ。」
ブラしてる程度にと小さく言った藤木の声のトーンにウケてしまった。
もちろん、その言葉にも。
自分で自分を変態だと認定してるのだろうか。
まぁ、ノーマルかと聞かれたら、真正面からノーマルとは言えないかもしれないけど・・・。
ブラしてることはそこまで変態じゃないべ?
可愛いし。
どこにでもあるような建売住宅が我が家だ。
もちろん、親が脅威のウン十年ローンで買った小さいながらも楽しい我が家だ。
小さな門を入ったらすぐに玄関。
門があるだけ、マシだべ。
ガチャっと開けて
「ただいまー。藤木、連れてきたよー。」
靴を脱いで、あがろうとしたら藤木に繋いだ手を引っ張られた。
振り返った私と藤木の目が合った。
そして、奥から母親がけたたましい足音をたてて近づいてくる。
「すぐに帰るから、ここで挨拶してくね。車、路駐だしさ。」
藤木の言葉を聞いて、なるほど路駐ねと納得していたら繋いだ手を離された。
残念。
「お帰りなさい。藤木君、送ってくれたの?ありがとう。」
当社比200%アップな笑顔を振り撒く母親。
「遅くなってしまって申し訳ございません。それと、絵里さんと真面目にお付き合いさせて頂いてます。」
キラリと光ったね。
笑顔が眩しく光った気がする。
営業用の笑顔ですか?
いつものふわっと笑った顔とは違って見えたべ。
母親が私を見てくる。
まぁ、確かにそうか。
この前、藤木と付き合ってないと言ったばかりだった。
「はははっ。彼氏です。」
自分の親に彼氏を紹介したことなんてないから、ハッキリ言って困るべ。
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