コンビニ おでん

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ほらな、親も一瞬、目を大きくあけたべ。 「昨夜も絵里さんと一緒にいましたけど・・・真面目に付き合ってますんで。ご挨拶が遅れて申し訳ございませんでした。」 折り目正しく頭を下げた藤木の姿に、なぜだか涙が出そうになった。 こんな風にしてくれた人、今までいなかったべ。 それが普通だと思ってた。 「あらあらあららー。いいのよ、いいのよ。藤木君。」 手と口をせわしなく動かすマイマミー。 頭を上げてホッとした顔をする藤木。 「まだ付き合いだしたばかりですけど、本当に真面目に付き合ってるんです。僕が彼女と一緒にいたい気持ちが大きくて週末にまたお泊りしてもらったりとかあると思うんです。いいですか?」 呆気にとられたのは、私だけではないようで、マイマミーもだ。 誠実そうな仮面をかぶりつつ、通したい要求は譲らない。 「絵里も大人だし、煩いことは言わないけど、ちゃんとするとこだけはちゃんとしてね。」 ・・・マイマミー、ニヤニヤしないでくれ。 恥ずかしい。 「はい、ありがとうございます。じゃ、失礼します。」 頭を下げて帰ろうとする藤木を引き留めようとしたマイマミーに。 「明日から仕事ですから。」 と営業スマイルを差し向け、失礼しますと玄関を開けた藤木について行った。 「さむっ。」 さっきまで、藤木とマミーのやり取りにドキドキして顔が熱かったけれども、外に出たら外気温でぶるっときた。 「寒いなら、中に入りなよ。」 さっきまでとは、声のトーンも違うようで、私の知る藤木の姿はこっちだべ。 「見送る。それに・・・ありがと。」 「ん?何が?」 さも当然のことのように聞き返された。 「親に。」 「あぁっ。エリーさ、僕の家に泊まることを言ってないんだろうなって思ったから。」 うっ・・・図星です。 いつも、彼氏の家に泊まるときは、言いづらくてウソついたりしてました。 きっと、親も薄々は気が付いていたと思うけれども。
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