3465人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕がエリーと一緒にいたいのも本当だしね。あぁっ、でも毎週毎週泊まりに行くなんてダメって言われたら、それはしなくていいよ。」
そんなことまで、考えてなかったのに。
そこまで考えていたのか。
根回し上手。
こんな人、いなかったなぁ。
比べるわけじゃないけど、比べてしまう。
そして、藤木の方が昔の彼氏たちよりもずっといいってことが嬉しい。
こんな人がどうして今までフリーで残っていたんだろう。
・・・あっ、ブラか。
納得なような、そうでもないような。
藤木の言動の一つ一つが骨身に沁みる。
五臓六腑に沁みわたるべ。
「ありがと。」
「おバカさん。泣くようなことじゃないでしょ。」
「まだ、泣いてない。」
「ふはっ、溢れそうになってるよ。」
藤木の手が伸びてきて、親指で私の目元を拭って離れていった。
「帰るケロ。」
「気を付けてね・・・ケロ。」
「もちろん。じゃぁね。」
屈託なく笑って、車に乗り込み、窓を開けて
「お休み。」
と挨拶をして帰って行った。
藤木の車が見えなくなるまで見送って家の中に入った後、マイマミーに凄い勢いで質問攻めにされたのは、言うまでもない。
最初のコメントを投稿しよう!