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社会人として恥ずかしくない振る舞いってあるべ?
プライベートで失敗しても、公の場ではそれを見せない。
失恋したとしても、仕事に影響をさせないのは普通だべ。
まぁ、休憩時間とかちょっとした隙間時間に遠くを眺めて浸ってしまうことがあったとしても、仕事へ悪影響を与えないのは普通だべ。
そう思っていた。
だけど、逆もまたしかりだべ。
浮かれ過ぎてはいけない。
地に足をつけて、しっかりと人並みに働く。
厳しい就職活動の中、運よく正社員の職を手にすることができたときに、イッシーと一緒に誓い合った。
社会の荒波に上手く乗ろう。
それなりに、やっていこう。
「トミー、なんか調子いいでしょ。」
グッ。
まさか、こんなところで山田さんに指摘されるとは思ってもみなかったべ。
山田さんに頼まれた資料を、指示された通りにPCで打ちこみ、グラフを添付してまとめただけだべ。
「・・・普通ですよ。それと、トミーって・・・。」
「えー、定時あがりの仲間のよしみで親しい呼び方してもいいじゃん。なぁ、小鳥遊ー。」
あぁ、定時あがりの小鳥遊さんにまで話をふってる。
ほら、小鳥遊さんが困ったみたいに笑ってるべ。
「山田さん、富田さんが困ってますよ。トミーよりもエリーの方がいいんじゃないですか?」
エリーは藤木が使うからっ!!!
それは、ダメ、絶対。
「トミーでいいですっ!!!」
叫んだ私に噴き出した小鳥遊さん。
「良かったですね、山田さん。トミーって呼んでいいそうですよ?」
にっこりと邪気のない笑みを浮かべた小鳥遊さんを見て、思った。
私は今、小鳥遊さんにおもいっきり嵌められたべ。
「くくくっ。絶好調のトミーに次のお願い。はいこれ。」
また資料を渡されまとめてねと言われた。
これが私のお仕事だから文句はないけど・・・。
プライベートの好調さが仕事に影響を与えて、それを他人から指摘されるって、不調を指摘される以上に恥ずかしい気がしたべ。
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