リベンジ紅葉狩りイブ

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待ちに待ったと言ったら言い過ぎかもしれないけれども、水曜の夜に藤木と同じ電車で会社から帰宅して以来、帰りが一緒になることもなかったから、3日ぶりに会えるんだべ。 電車は矢作川を越えて、目的地の東岡崎駅へ向かう。 電車の中から見える乙川と岡崎城、そして岡崎公園を横目に気分は世界の車窓からをもじって赤電車の車窓からだべ。 到着した急行電車を降りて、階段をなんとなく急ぎ足で下る。 そして改札を抜けて北口へ向かえばロータリーの向こう側に藤木のCX5を発見した。 いつだったか、イッシーと山根と山岸さんとで走ったロータリー。 駅のロータリーが学校のグラウンドみたいで面白かったけど、一人であれは無理だ。 やってもいいけど、やっぱり一人は恥ずかしいな。 やらない。 気持ち早歩きでスタスタと歩いて目的のCX5の助手席側の窓から運転席の藤木の姿を確認し、それからドアを開けて乗り込んだ。 確か、前回は三河屋になったから今日はどうしようかな。 よし、若干、声色を高くしてそれっぽく。 国民的アニメのおっちょこちょいな女性だからな。 財布を忘れて買い物に行ったり、裸足で駆けて行ったりするイメージ。 「エリーでございま~す。」 「ぶはっ。くくくっ。もう、笑っちゃったじゃん。バカバカしいのに。」 よしよし、藤木を笑わせることができた。 今日も掴みはオッケーだべ。 そして、今日こそ藤木のブラを掴んで脱がせてみせるべ。 「はははっ。こんにちは。」 「うん、こんにちは。お家の人に僕のところに泊まるって言ってあるよね?」 照れる。 非常に照れる。 彼氏のところに泊まるってちゃんと報告して泊まるのが、実は初めてだべ。 「うん、言った。恥ずかしかった。」 「ふふっ。何で恥ずかしいのさ。」 私がシートベルトを締め終わるのを確認して動き出した車。 私の心にもエンジンがかかってます。 車のエンジンなんてなまっちょろいモノじゃねーべ。 戦闘機のジェットエンジン積んじゃった感じだべ。 お泊りすることを、ちゃんと親に言ってからとかさ。 照れくさいけど、そういうことに気を遣ってもらってさ。 惚れるべ。 惚れ惚れだべ。 もう、エンジンを逆噴射しても止まれない。
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