リベンジ紅葉狩りイブ

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「たこ焼き、買ってく?」 たこ焼き屋の前に車を路駐してから聞かれたら断れないべ? 「食べたい」 ふわっと笑って車を降りて鼻歌でも歌いだしそうな軽やかな足取りで 『岡崎一美味しいたこ焼き かっちゃん堂』 に向かう藤木の後姿を眺める。 前にここへ来たときの藤木の頭はアフロでヘルメットな個性的な髪型だったべ。 今は、残念なことに普通っぽい。 買いに行ったと思ったら、あっという間に戻ってきた。 恐ろしい早業だべ。 「エリーを迎えに行く前に注文しておいたんだよねー♪」 おいおい、さっきのたこ焼きを買って行くかどうか、私に聞いたときに私がいらないって言ったらどうするつもりだったんだべ。 ちょっと呆れたべ。 「持っててね。」 私の膝の上に置かれたたこ焼きのパックの熱。 温かいべ。 そして、袋から見えるたこ焼きのパック。 そこから漏れ出るいかにもたこ焼きな匂い。 堪らんべ。 ハザードランプからウィンカーに切り替えて、動き出した車。 前にもこの道、通ってるべ。 あの頃は、藤木とここまで親密な付き合いをするって思ってたっけ? 思ってなかったような。 「何か話してよ。」 藤木に言われたら、話さないわけにはいかない。 そして、聞きたいことの第一位と言ったらコレしかない。 「今日のブラはどんな可愛いのなの?上下セット?」 「・・・知らないよっ。」 知らないはずはないべっ。 「知ってるー!!!」 「ぶっ、そりゃ、知ってるけど、知らないって言われてそうやって返す人ってエリーが初めてだ。」 隣を見れば、頬を緩ませ笑う藤木の柔らかい表情。 ブラの話題は私と藤木の間では、もう普通になってきたべ。 良い傾向じゃないか。 誰にも言えない秘密を共有してるんだべ。 ふふふっ。 親密な仲ってヤツだべ。
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