リベンジ紅葉狩りイブ

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一気に飲み干した藤木の飲みかけの缶。 私の頭上から聞こえる藤木の笑い声。 「もうっ、なんでそんなに一気に飲むのさ、おバカさんだね。やっぱりあっちで座ってなさい。」 手から奪われた缶と藤木に押される背中。 せっかく尻尾をフリフリ藤木のところまで来たっていうのに、振り出しに戻ったべ。 いや、アルコールという名の燃料をたっぷりと仕入れたんだから、3歩くらいは進んだはず。 どうやって藤木を襲うのか。 あぁ、ヨダレが垂れそう。 コタツのテーブルに熱くなったほっぺたをくっつける。 ひやっとして、気持ちがいいのは一瞬だべ。 横にずれて、またほっぺたをペタリ。 またずれてほっぺたをペタリ。 あぁ、極楽極楽。 ほっぺたをコタツにつけたまま、ちょっとだけ見えてる藤木の様子をストーキング。 ねずみ色のスウェットの上下を着て、台所でまた飲んでるし、あの人。 つーか、藤木の方こそアルコールが強いべ。 名古屋で飲んだときも、顔色一つ変えずにけっこう飲んでた気がする。 言動がおかしくなったりとかもなかったような。 それ言ったら、山岸さんも山根もそうだったかも。 大きな会社に勤めるような人はアルコールも強いんだべか? いや、自分の限界をちゃんと知ってて、そこまで行ったら飲まないのかもしれない。 すぐに酔っ払う人とは違うんだべ。 おっ、藤木が大きな電話帳を持って登場だべ。 なぜ、電話帳??? その電話帳をコタツの上に。 私の頭の中にハテナが並ぶ。 誰に電話するの? イタズラ電話とかしねーべ? 酔っ払ってるからってそんなことはしねーべ? ・・・大きな鍋を持って登場したべ。 謎はすべて解けた。 電話帳は藤木の家では鍋敷きなんだべっ。 ウケた。 「・・・笑わなくってもいいじゃん。資源の有効活用だよ。」 ふわっと笑った藤木、エコな男だったんだね。 ブラ男でエコ男。 いいでねーかよ。 キャデラックやランボルギーニみたいに燃費の悪い男じゃねーべ。 さすが、スカイアクティブ搭載だべ。 燃費と走りの両立をはかる男だべ。 ブラとエコの両立。 勉強と部活の両立並みに魅力的だべ。
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