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「ほら、こっちも食べてケロ。」
私の取り皿と言うか、お椀に藤木特製のキムチ鍋の中身が入れられた。
「これは、これは、ありがとうございます。」
藤木の手からお椀を受け取り頭を下げたら笑われた。
「何それ?」
クスクスと笑う声に
「接待されて恐縮してる図。」
と答えたらまた笑われた。
お椀の中に入れられたネギ、白菜、肉、豆腐、キノコ類他、目視不能なモノたち。
湯気が上ってるから熱いかもしれないべ。
お箸で白菜を摘まんで、口の中に入れたらシャキシャキとした食感に目を見張った。
しかも、なんか美味しいし。
お椀にそのまま口をつけてスープを飲んだ。
うまっ。
「まいう~。ねぇ、これ、どうやって作った?」
もっと、キレイに食べたいけれどもあまりの美味しさにガッツきまくりだべ。
「ん?内緒。食べたくなったらまた泊まりに来てね。」
ウホッ。
爽やかに微笑まれてハートに矢が突き刺さったべ。
ついでに胃袋もガッチリと持っていかれたべ。
藤木も食べてるけれども、私の方が絶対に食べてる。
そして、私のお椀が空になるとお椀を奪って中身を補充してくれる。
こんなお嫁さんが欲しいべ。
残念なことに藤木を養うほどの甲斐性が私にはない。
そして藤木の方が高給取りに違いない。
ウホッ。
海老で鯛を釣るって言葉は私と藤木かっ。
いや、海老は海老でも小エビだべ。
やっすいやつ。
それで釣れたのか。
下着を剥がしたいとか、自分の欲求に従ってばかりいたら、愛想を尽かされるかもしれない。
あぁ、迷う。
自分の欲求に従って藤木を襲ってもいいものか。
ちょっと自重して小エビは小エビらしく、鯛の手放さないような努力をするべきか。
アルコールを飲んでるし、やっぱり欲求には抗えないか♪
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