夜明け前

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昨日の夜は、スケスケの藤木のベビードール姿に興奮して、それなのに私が藤木を襲うという当初の予定のようにはいかなくて。 結局、藤木に襲われたんだべ。 今朝も今朝でこのまま甘んじて藤木に襲われるなんて、悔しいべ。 私のオデコに落とされる優しい口づけ。 目を開けて、藤木を見つめた。 「ん?なぁに?」 小首を傾げて妖艶に笑った顔。 艶かしい。 「コージーが下着をつけてる方が興奮する。昨日の夜はコージーのブラを外せなかったんだもん。スケスケも興奮したけどホックをプチンってやりたいからブラしてよ。」 ダメ元で頼んだに近い。 このまま、されるがままよりも、私だって藤木を襲いたいべ。 二人で作り上げる極上の時間だべ。 どうせ、黙っていても襲われるなら、自分の希望の一つや二つ叶えてもらってもいいに決まってる。 「えぇっ。今更そんなこと言われても、男の体は走りだしたら止まれないのにぃ?」 「睡眠妨害して勝手に走り出したのはコージーじゃんっ。」 睡眠妨害の部分を強調してあげたら、少しは悪いと思ったみたいだ。 「もう、わかったよぉ。覗きにきたらダメだからね。」 ちゅっ。 唇に優しい口づけを落として、藤木が布団から出て行った。 もちろん、下着の置いてあるお隣の物置部屋へと入って行った。 襖が閉められ、隣の部屋で藤木が下着を入れていたケースを開ける音がした。 やばいっ。 さっきまで、眠たいのと、寝起きなのと、藤木に刺激されたせいで、このまま合体してもいいかなぁと思っていた気持ちもあったのに。 違う種類の興奮がメラメラと燃え上がってきてるべっ。
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