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「なかなか強烈な臭いだった。はははっ。僕、けっこう好きだな。」
酔っ払ってるな、私。
そして、藤木も。
ドキドキしてる場合じゃねーべ。
ワキ汗で藤木の思考回路が壊れたに違いねー。
返事もできずにいたら、前の人がお手洗いから出てきてくれた。
ホッとした。
藤木のいる空間から逃げられることに。
初対面の男にまさかワッキーの臭いを嗅がれるとは。
そこは、私の中のトップシークレットだし深イイ仲にならないと嗅がせられない一番のコンプレックスだ。
・・・きっと、自分から奪ったワキ汗タオルだしあんまり強烈な臭いだとリアクションすると私が傷付くと思ってけっこう好きだってお世辞を言ったんだ。
すげーぞ、藤木。
お世辞にもあの臭いをけっこう好きって言えるってすげーべ。
試しに新鮮なワッキーの臭いを嗅いでみよう。
自分のワキに鼻を寄せる。
グッ。
この何とも言えない独特のきつい、ツーンとした臭い。
お世辞にもけっこう好きなんて言えない。
フレグランスの残り香ならいいかもしれねーが、天然のフレグランスの残り香はキッッツイべ。
お座り式の便器に座って、用を足した。
念のため、下半身の臭いも嗅いでおくべ。
・・・わかんねー。
液体が臭いことは、分かってるけど下半身にも臭いの素のアポクリン腺はあるらしいべ。
ワキが臭うのは、ワキガ。
下半身が臭うのは、スソワキガ。
俗にマンガって言う人もいるらしーけど・・・。
ティクビーが臭うのはティクビワキガ。
自分の該当箇所がどれか、自分じゃ分析不能だべ。
あぁ、こんなことなら、イチモツにワッキー臭をこすりつけてやった大昔の彼氏にどこが臭うのか細部まで聞いてから別れれば良かった。
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