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手早く着替えて身支度を終えたつもりだったのに。
階段を降りたらすでに玄関でスタンバイな藤木の姿。
「香嵐渓までノンストップだからトイレ済ませておいで。」
彼氏にトイレの指示をされるって・・・音が聞こえやしないかと微妙だべ。
音姫様があったら・・・いや、アレを使ったら今、してますって丸わかりだべか。
とりあえず、藤木の指示通りにおトイレを済ませたら、玄関にいないべ。
気を遣って車に行ったんだろうか。
靴を履いて、玄関を開けた。
すると、物置スペースの引き戸が開いたままになってるし、車の後部座席から下半身だけ出てる状態の藤木が見えた。
上半身だけを後部座席に突っ込んでなにをしてるんだべっ。
そして、閃いた。
藤木の後ろにまわり、
1に気を付け
2に構え
3、4がなくて
5にカンチョー!!!
「わわわっ、ちょっとエリー、何してるのさっ!!!」
振り返った藤木のリアクションに満足感を覚えた。
「コージーの方こそ、何をしていたのさ。」
「えっ?お弁当をのせたり・・・荷物をのせたり・・・。あとは・・・ってそんなことはいいから乗って。」
お弁当も用意してくれたのか。
私がグーグー寝てる間に作ってくれたのかな。
ジーンと感動している間に鍵をしに行ったようだ。
乗ってと言われたんだから、乗らねば。
うん、昨夜は失敗したけどいつか藤木に私が乗ろう。
あぁ、爽やかな空気が台無しだべ。
まっ、ワッキーの臭いを漂わせてる時点で爽やかな空気もなにもあったもんじゃないか。
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