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私の顔を見て笑う藤木。
ん?
手品のような手つきでハンカチが登場してクスクス笑いながら口元にハンカチを押し付けられた。
「子供みたいだね。はははっ。」
むむむっ。
子供みたいですかね。
いや、口元が汚れた原因は絶対に藤木がかけまくったケチャップとからし。
グリグリと口元を拭われて、笑われ。
「僕の口元も汚れてる?」
なんて聞かれてじっくりと藤木の若干薄いけれども柔らかそうな唇を検分。
「汚れてないよ。今すぐにキスできるくらいキレイだよ。」
「しないくせに。」
またしても、ふわっと笑う。
あの顔、好きだべ。
吸引力の落ちない唇になって、藤木の唇を奪ってやりたいべ。
汚れたハンカチを畳み直してしまった様子を眺めて、やることなすことソツがないなと感心する。
「ほら、あっちに行こうよ。お寺でもみじを見てから吊り橋の方に行こうか。」
微笑む藤木を見上げて、紅葉とブラ男な姿を一人妄想してしまった。
きっと、キレイに違いない。
脱がすわけにはいかないけれども、真っ赤に色づく紅葉の中で藤木が下着姿になって両手で胸元を隠してる様子を妄想した。
可愛いべ。
握られた手をひっぱられて、現実世界の藤木をもう一度見た。
ふふふっ。
妄想もいいけど、実物も可愛いべ。
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