紅葉狩り

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さっきまで、気にもしていなかったけれどもファミリーにアベックがお弁当を広げてそれぞれに楽しんでるべ。 和むなぁ。 川と紅葉のロケーション。 そこにファミリーにアベック。 あぁ、あの夫婦、子供を放置していちゃこらしてるべ。 おにぎりをあ~んって! ウホホホホホホホッ。 悶えるべ。 「エリーってば、他人のおにぎりを見て興奮してるの?僕の作ったタマゴのおにぎりの方がきっと美味しいのに。」 ほぇっ? いつの間にか、タッパーと水筒を片付けたらしい藤木に手を握られたべ。 勘違いだべ。 他人のおにぎりに興奮したわけじゃないってのに。 「違うって。あの夫婦が子供の存在を忘れてるみたいにいちゃこらしてるから目が離せられないってだけで。ほらほら、見つめ合ってるし。」 「エリー、こっち向いて。」 あぁ、もうっ。 いいところなのに。 あのままチュウしそうなほど顔が近寄ってるのにっ。 藤木に言われて隣を見たら、照れたように笑った顔が出現。 「ねっ、僕たちも見つめ合ってるよ。」 ウホッ。 なぜ、対抗意識を燃やしてるんだべっ。 「下着姿になってくれたら、もっといいね。そんでここでコージーを押し倒したらあの夫婦よりもラブラブだねっ。」 「おバカさんなこと言ってないの。捕まっちゃうでしょ。」 あぁ、藤木は常識ある大人だべ。 そして、目線をもう一度さっきの夫婦に戻したら・・・。 フォーーーーーーーーー!!! 叫びたいのをぐっと堪えた私は偉いべ。 夫が奥様のほっぺたにちゅってしたべーーーーーーー!!! 見てしまったべっ。 「あのくらいだったら僕だってできるよ?」 耳元で囁かれて、こっちもドキドキだべっ。 「いや、いい、遠慮しておく。」 動揺してばっと立ち上がった私を見てクスクス笑う藤木。 ・・・遊ばれたか。 「ふふふっ。エリーは自分がアグレッシブなことを言うのは強いけど、言われるのには弱いよね。可愛い。」 オーマイガーと言ってやりたい。 でも、それは私のキャラではない気がする。 可愛らしく睨んでおこう。
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