藤木浩二の独り言 パート5

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お手洗いを済ませてから、僕の愛車まで手を繋いで歩いて来た。 乗った途端に。 「真っ赤だな~、真っ赤だな~、藤木のお尻が真っ赤だな~、浩二のアソコも真っ赤だな~。」 と、おかしな替え歌を歌いだして僕を笑わせてくるエリー。 替え歌の内容はこの上もなく下品なのに、楽しそうにソレをやってるエリーの子供っぽい歌い方を見てると、ヤレヤレとは思うのに止めさせようとは思わない。 「ほら、シートベルトちゃんとしてよ。帰るから。」 ご機嫌な様子のエリーを見つつ、少し赤みを帯びた頬に手を伸ばした。 「わわわっ、な、な、なに?」 慌てた様子で動揺を隠しきれない彼女の言葉。 「ん?寒かったのかなって。ちょっと赤かったから。でも、僕が触ったらもっと赤かくなったよ。ふふふっ。」 さっきの替え歌だったら、真っ赤だな~、真っ赤だな~、エリーのほっぺが真っ赤だな~って感じだ。 僕はエリーと違って歌ってあげないけどね。 むぅっと口を少し尖らせて、シートベルトをした彼女の顔を覗き込んでそのまま唇を重ねたら、また慌ててる。 「な、な、なっ。」 「えぇ?だって唇が前につき出してたし僕にキスして欲しいのかなって思ったんだよね。僕もしたかったし。」 いつもは、僕を慌てさせるようなことを平気でバンバン言ってのけるのに、それをやられる方になるのは慣れてないみたいだ。 エリー対策。 それは、 攻撃は最大の防御。 やられる前にやっちゃえばいいんだ。 でも、エリーが迫ってくるのも可愛いから、エリーにおされてドキドキするのを味わった後に僕がエリーを押し倒す。 一挙両得だ。
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