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気を取り直して、藤木に話しかけた。
「それ、頂戴。飲むから。」
「はっ?飲むの?」
「もちろん、だってもったいないし。なー、イッシー。食べ物は粗末に扱ったらダメだべ?イタズラしても飲むに決まってんべ?」
「もちろん、飲みまーす!!!」
藤木の手元からイッシーのせいでソース味にテイスト変換されたアルコールを頂いてイッシーと二人で笑いながら一口ずつ飲んだ。
「ぶはっ、キョーレツだっ。」
一口、飲んでゲラゲラ笑うイッシー。
イッシーから手渡されたグラスを私も一口。
口の中に広がるソースの味とチューハイが混じって、もはや、薬草レベルの不味さに笑うしかない。
「薬草の味がする、これ薬草だと思って飲んだら頑張れるって!!!」
一口、飲んでイッシーに渡す。
「薬草、いっきまーす。」
ごくりと飲んだ後。
「まいう~。」
不味いくせして、『まいう~』はないだろうと思ったけれども、さすがイッシー。
またイッシーから私へ。
あとちょっとだべ。
「最後だから全部飲んじゃうよ?」
イッシーに聞いてみたら、前方から手が伸びてきて藤木にグラスを奪われた。
「すっげー楽しそうだから僕もやる。」
アフロ頭で爽やかな笑顔を浮かべられて、それだけで笑いを誘ってくるのに本当に残りを全部飲み干した。
そして、微妙な顔をして
「不味い、もう1杯!!!」
と青汁のCMの真似をしたからバカウケした。
「イッシー、もう一杯だって!!!どうやって調合したべ?藤木のリクエストに応えて作ってやれって。」
笑って言ってやったら慌てだした藤木。
「うわっ、マジで勘弁。ジョークだって、ジョーク。」
おかしなテンションで飲み会は続いた。
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