遠出の後は

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ウトウトしていて、目が覚めたときに見た車の外の光景は細い川沿いの道。 点々と集落があるような場所。 田舎だべ。 「ごめん、寝ちゃってた。」 運転中の藤木に声をかけたら 「うん、いいよ。体力を回復しておいてもらわないと、僕の家に帰ってからエリーに襲い掛かれないからね。」 と、爽やかにエロ発言だべ。 「寝て元気になったから私がコージーを襲うよ。覚悟してよ。」 「ふっ、できるもんならやってみなよ。きっと僕の勝ちだよ。」 余裕の発言。 でも、確かに私が襲い掛かっても簡単に攻守交代させられて藤木が主導するんだよなぁ。 それはそれでいいから文句ないけどさ。 「ふふっ、エリーの匂いを嗅いであげる。」 ゲッ。 ちょっと待て。 それは、マズイのではないか。 だって、たくさん歩いたし、コートの中では蒸れていたかもしれないべ。 背筋がゾクゾクっとしたべ。 「いや、それは無理。お風呂を貸してもらった後なら・・・。」 「えー、いいじゃん。僕はエリーの匂いを嗅ぐと興奮するしね?」 返す言葉がないべ。 一般的に臭いと忌み嫌われるワッキーの臭いだべ? 藤木の鼻はおかしいんじゃないか? いや、おかしい鼻を持ってるとしたら、嗅がせてあげた方がいいのか? いやいや、それはそれでおかしくないか? そうだ、ハムラビ法典だべ。 目には目を。 歯には歯を。 ワッキーには・・・藤木はワッキーじゃないから。 「コージーがご神木の匂いを私に嗅がせてくれるなら、ワキの匂いを嗅がせてあげてもいいよ。」 ほらな。 ギョッとしたべ。 私の勝ち♪
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