遠出の後は

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けっこう力任せに強制連行されたはずなのに、私を降ろすときにはそうっと床に足がつくように降ろして、そのまま一番先に部屋のエアコンをつけた藤木にムギュムギュした。 「まだ脱がせたら寒いかなぁ。」 可愛い顔で笑いつつエロいことを普通に言ってるべ。 って!? あぁ・・・。 「ふふっ、あんまり匂ってない。やっぱり、素肌に鼻を押し付けて嗅がないと匂わないのかな。」 さっき、私のワキに挟んだ手を、手のひら側も手の甲側もクンクンと鼻に押し付けて臭いを嗅いでるべ。 顔にブワッと、熱がこもったのが自分でも分かる。 恥ずかしくて、泣きたくなる。 目に、涙がたまってくる。 「あっ。」 私の顔を見た藤木の声。 それから、藤木が自分のクルンクルンのくせ毛の髪の毛に手をやって、困ったなぁって顔をした。 「そんなに、ダメなことしたかな?」 ダメなことって言うか、恥ずかしいわけだべ。 「怒ってる?」 怒ってないから首を横にふったら、あからさまにホッとした顔をして笑った後に、私をそのまま立ったまま、抱き締めてくる。 藤木の胸元に私の顔が。 そして、私の頭の上に藤木の頭がある。 「僕、絵里の匂いが気にいったみたい。なんか、嗅ぐと絵里だって分かるし、笑っちゃうんだよね。」 決して、いい匂いだとは言わないところが正直者だ。 笑っちゃうのか。 私だって、藤木のブラが気にいってる。 見ると興奮するし、見てなくても、そこにブラがあると思うだけで興奮する。 お互い、人には言えないけれども微妙に変態だ。 「だから、もっと嗅がせてよ。」 いや、でも、それは、嫌だし。 「ダメ。」 「何で?」 「臭いから。バラの匂いがするようになるまでダメ。」 「ぷっ、そんなの一生ダメってことでしょ。それこそダメだよ。」 「じゃぁ、浩二のブラ、触って舐めまわして剥がしてバストトップに吸引して執着していいわけ?」 言いつつ、すでに私の手は藤木の胸元の辺りを怪しく動き回ってる。 「もう、してるじゃん。そういう雰囲気のときだけならいくらでもどうぞ。ふふふっ。」 弄りまわす手を止めに来ないと思ったら、いいのかよ!? お墨付きをもらったべ。 服の上から、キスしてやるべ。 可愛いブラの感触に悶々だ。
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