コージー特製お茶漬け

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「エリー、起きて。お茶漬け出来たよ。」 体を揺すられて声をかけられ、薄目を開けたら電気の光が眩しくて目を細めた。 逆さまに藤木の顔が見える。 私の顔を覗き込んで笑ってる。 逆さまに見えるまま顔が接近して唇にキスをしてきたべ。 寝起きの働かない頭で、そのまま目を瞑り、そうだったそうだった、さっき藤木と致して眠ってしまったのかとやっと今の状況が理解できた。 「起きないと、エリーの分のお茶漬けも食べちゃうよ?」 ふんわりと笑った顔。 逆さまのままでも、ムギュムギュしたべ。 「ダメ。コージーに養分を吸い取られたみたいだから、食べる。」 「ふっ、そっか。着替えさせてあげようか?」 まるで紳士みたいに丁寧な口調だけど、言ってることがおかしいべ。 「下で待っててケロ。」 「ちぇっ。早くおいでよ。」 ちぇっと言いながらも楽しそうな顔をして、私の頭をさらっと撫でて階段を降りて行った。 ・・・そう、藤木に衝撃の事実を告げられたはずなのに。 致す前と何も変わってないべ。 下着と服を着ながら、私の臭いのしたご神木を思い出した。 なのに、あの臭いで興奮するとまで言ってのけた藤木。 負けたって言うか、負けたって言うか、完璧に負けたべ。 ブラ男でちょっと可愛い仕草をする藤木。 ワッキーでも、気にしないと言っていた藤木。 ワッキーの臭いが興奮の元になってるみたいな発言。 普通に聞いたらドン引きレベルだけど、相手は彼氏だべ。 恋人だべ。 ムギュムギュだ。 今までだって、藤木を好きだと思ってた。 可愛いブラをしてると思うと、愛しいと思ったべ。 興奮させてくれるし、可愛いし、好きな気持ちに間違いなかったけど。 なんか、もっと好きになったって言うか。 もう、取り返しのつかないところまで来てる。 唯一無二の存在だべ。 はぁ~。 これで、またフラれたら本当に立ち直れないかもな。 どうやったら、一生藤木に好きでいてもらえるんだろう。 難し過ぎるべ。 イッシー、どうやって山根に結婚って言わせたんだべ? あぁっ、そろそろイッシーにちゃんと話して、真剣に相談に乗ってもらうしかないかな。 結婚とか、今まで考えたことあったけど、そこまで意識したことなかったのに。 藤木しかいない気がしてきたべっ。
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