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宣言通りに後片付けをする藤木を後ろから見守る。
いつもなら、ここで藤木にまとわりつくところだけれども。
どうしてだか、いつものように手も出せなければ足も出せない。
こ、こ、これは、アレだべ。
恋する乙女だべ。
好き過ぎて嫌われたらどうしようって感じだべ。
いや、ここはひと思いにやってしまえばいいけど。
だがしかし。
朝も夕方も、一分の隙間なくくっつく究極のいちゃいちゃ行為にふけったくせしてさらにここでくっつくとなると・・・。
うざくないべか?
そして臭ってないべか?
いや、ここは臭っていた方がお互いのためなのか?
いや、臭って藤木がムラムラしたら帰る時間が遅くなってお互いのためにならないべ。
と言うか、藤木がムラムラする前に私がムラムラするかもしれないし。
うん、脳内会議終了だ。
我慢我慢。
来週まで我慢だべ。
そうだべ、藤木は知らないけど、もう私の中で藤木が最後の男だと決めた。
あれだべ。
内助の功とかいうべ。
男をダメにするような付き合いはしてたらダメだ。
そうそう、トミーと付き合うようになってから藤木君の調子がいいんだよね。
なんかいい男になった?
みたいな感じにならないと。
・・・トミーと付き合うようになってから藤木の変態レベルが上がったよね?
・・・あがったかもしれない。
レベルダウンよりもレベルアップの方がいいよね、何事も。
そうだそうだ。
私の変態レベルだって上がったに違いないべ。
ブラ男にムラムラするんだからなっ。
「エリー?終わったよ。」
藤木が振り返ってこっちを困ったような顔をして見てる。
「あっ、お手伝いもせずに申し訳なかったっす。」
「どうかしたの?」
「いえいえ、どうもいたしておりませぬ。」
「くっついてこなかったから・・・。」
その残念そうな言い草はもしや。
私にくっついて欲しかったってことか。
大・失・敗☆
失敗は早いうちに取り返さないとね。
先手必勝。
「フォーーーーーーーーーーーーー!!!」
雄叫びとともに猪突猛進!!!
「ぐっ。」
近距離からのアタックは危険と知った11月の夜。
「ごめん、大丈夫だった?」
一応、生存確認だべ。
「うん。本当におバカさんだね。」
笑った顔と声に、本日何度目かのムギュムギュだべっ。
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