コージー特製お茶漬け

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どれくらい、そうしていたのか。 ギュッと抱き締められて、藤木の胸元に顔を埋めて心臓の鼓動を感じて藤木の匂いを肺、いっぱいに吸い込んで。 藤木の背中にまわした手の平で藤木のブラの存在を感じ取った。 「はい、おしまい。」 仕方がないことだと分かってるべ。 藤木とずっとうまくやっていきたいと思ってるんだから、ここは大人しく帰るところだべ。 「上着、とってこないとね。」 自分の気持ちに踏ん切りをつけて、それでも名残惜しくて藤木の手を握って、居間に連行した。 お互いに脱ぎっぱなしにしてあった上着がコタツの向こう側に放置されてる。 それを拾い上げて藤木に渡した。 似合ってる。 おしゃれなジャケットが似合ってるべ。 薄手のコートを羽織ったら帰宅準備は完了だ。 「真面目に付き合ってるから、やっぱりここは譲れないね。送ってく。」 私の頭に藤木の手がのって、ポンポンと軽く叩かれた。 藤木の言葉が身に沁みた。 親にも付き合ってるって言ってくれたことも、お泊りするって言ってくれたことも。 それだけじゃない。 多分、私がもっと一緒にいたい気持ちも伝わってるし、藤木もそう思ってくれてる。 だけど、そこをダメって言える人が藤木だべ。 藤木の後ろを歩いて、玄関で靴を履く。 「あと30分くらいは一緒にいられるよね。送ってくんだから。」 ついつい、顔を下に向けてしまっていた私に藤木が明るい声で話しかけてくる。 そういうところも好きだと思った。 顔を上げて、笑ったに決まってる。
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