ホウレンソウを怠るな

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「えー、どうせベスのことだから毎度毎度同じ相談してくるんだろっ。」 うっ。 顔を上げてイッシーを見たら、頬杖をついて意地悪な顔をしてこっちを見下ろしてるべっ。 確かに、私が恋に落ちて誰かと付き合うと、相手のことを好きになりすぎて空まわると言うか、他に何も見えなくなってイロイロと失敗してきたけどっ。 浮気されてるって気が付いてても、そのうち私のところに戻ってくるに違いないって思いこんでた痛い女だったけどっ。 お金がないって言われたら、食糧や生活用品を少しばかり援助したこともあったけどっ。 さすがに、名義貸しでサラ金からお金を借りたりとかしてねーべ? 「好きになり過ぎててどうすればいいか分からないだろ、言いたいのは。」 ぐっ。 さすがイッシー。 でも、今回の私はそんな程度じゃすまないぐらい、本気モードだべっ。 「教えて下さい。どうやって山根にプロポーズの言葉を吐かせたのでしょうか。マンティングして首を絞めて言わせたのでしょうか?」 バチンとオデコを叩かれた。 「無礼者め。そんなことしてない。普通に山根が結婚しようって言ってきたから私がどうこうしたわけじゃない。」 ・・・と言うことは、私が藤木にマウンティングして首を絞めてその言葉を吐かせるのはやっぱり無謀だべ。 却下だな。 「ベス、結婚しようと思うくらい藤木がいいんかよっ。」 あっ、しまった。 そう言えばどんな付き合いしてるとか伝えてなかったべ。
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