ホウレンソウを怠るな

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昨日の宣言通りにお昼になったら山田さんと小鳥遊さんに呼ばれたべ。 「チーム愛妻弁当は集合っ!!」 山田さん、私、愛妻弁当じゃないし・・・。 しかも、愛妻弁当って万年係長もじゃん・・・。 いや、係長、見た目も面白いから好きだけどさ。 冷めた目で山田さんを見ていたら。 「あっ、外で食べますけど、寒いかもしれないですよ。」 と係長を室内に置いてくつもりが丸わかりの発言まで。 「寒いのは嫌だから、ここで食べるよ。行ってらっしゃーい。」 ニコニコと送り出す係長も係長だし。 「じゃぁ、係長の替わりは定時あがり推進委員会のトミーだな。代打トミー、来いよっ。」 目上の人に言われたら、つい行くしかないべっ。 トボトボと歩いて山田さんと小鳥遊さんの後ろをついていく。 会社の外に出たよ。 もう11月も終わりで寒いのに。 顔が冷たい。 いや、でも、今日は日差しが暖かいからマシだべ。 「あそこの公園でいいよな。って言うか、そこしか知らないし。人も来ないだろうからな。」 「山田さん、普通に会社の会議室とかで良かったんじゃないですか。」 「セクハラしてると思われたら困るだろ。俺もお前も結婚してるしトミーは嫁入り前の身だぞ。」 誰も愛妻家の山田さんと小鳥遊さんが私にセクハラしてるなんて思わないべっ。 なんか山田さんって良く知らなかったけど、おかしな人だべっ。 二人の会話を聞きながら、実は私が一番マトモだったりしてと思った。 私が一番マトモだったら定時あがり推進委員会の委員長になってしまうのか? いや、そこはやっぱり求心力で山田さんか。 ビルの中にある小さな公園。 憩の空間を演出してるべ。 テーブルとベンチのある席が空いてるのを目ざとくみつけた山田さんがそこに歩いていく。
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