ホウレンソウを怠るな

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山田さんと小鳥遊さんの目が、好奇心いっぱいだべ。 なんか相談する相手を間違えたような気がしてきたべ。 ドキドキしながら聞いてみた。 まずは、イッシーは女が男にプロポーズするのはアリだって言ったけど、それは本当なのかどうかからだべ。 「ええとですね、プロポーズって言うのは、女性がしてもいいのでしょうか?」 一瞬の間。 日差しはそこそこ暖かいけれども、ヒュッと山田さんと小鳥遊さん側と私側の間に風が吹いた気がしたべ。 「アリだよなっ、小鳥遊!」 一瞬の間の後、山田さんが小鳥遊さんを肘で小突いてる。 それは本当にそうなんだろうか。 「うん、僕だったらびっくりするだろうけど、凄く嬉しいと思うよ。」 びっくりするけど、嬉しい。 一安心だべ。 次はいつ決行するべきかを考えねばなるまい。 まさか、私が藤木のために指輪を買ってとか、おかしいし、自分で自分のために指輪を買ったりとかもおかしいべ。 さすがに、それくらいの常識はある。 「長いの?彼氏と。」 山田さんに聞かれて、詰まってしまったべ。 咀嚼途中のじゃがいもが詰まるとけっこう苦しい。 「短いです。9月に出会って10月に付き合いだしたばっかりだったりして・・・。恥ずかしいんですけど・・・この人しかいないって言うか・・・はははっ。」 二人の視線が痛いべ。 遠くでベンチに座って弁当を食べるグンジの姿を見てしまったべ。 女の子ちゃんのこと、全然見てない感じだべ。 グンジ、何様だよっ!!! 俺様なのかっ!!!
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