カフェ ユーフラテス 再び

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藤木の家に行くものだとばかり思っていたら、その途中のカフェ ユーフラテスの駐車場に車が停まった。 「千恵さんに顔を出せって電話もらったんだよね。それに、パフェも食べたい気分だし♪」 私が藤木の顔を見たら、ふにゃっと笑ったべ。 いいけど、まだお昼過ぎだし、そんなにお腹が減ってないような・・・。 またスペシャルパフェを注文するつもりなのでは・・・。 車を降りると、顔が冷たい。 さっさとお店に行くべく、早歩きでお店のドアに。 藤木も小走りでやってきた。 そして二人で木製のドアをギィっと引いてお店の中に。 前に来たときと同じように、私にはどんな曲なのかさっぱり分からないけれども、クラシックと思われる音楽が流れる店内。 「いらっしゃいませー。」 前に見たときと同じ、真っ赤な口紅にパープルのアイシャドウ、太めのアイラインにブラウンのショートヘアの千恵さんだ。 「カウンターでいい?」 藤木に聞かれるまでもないべ。 顔を出せって言われて来たのに、テーブルに行ったら嫌な甥っ子になってしまうべ。 カウンターに座って、コートを脱いで椅子の後ろに折り畳んでかけた。 藤木は今日はいかにも温かい感じが醸し出されたダウンコートだべ。 私の大人可愛いアンゴラのコートも温かいけど、藤木のダウンコートの方が温かさは上だな。 「スペシャルパフェ下さい。」 藤木の恐怖の一言だべ。 だからついでとばかりに 「ホットコーヒーもお願いします。」 と、追加しておいた。
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